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■社 名 株式会社カネミヤ ■代表者 取締役社長 間瀬隆夫 ■WEB http://www.kanemiy.co.jp/ ■所在地 〒475-0807 愛知県半田市八軒町128 ■T E L 0569-23-2871(代表) ■設 立 平成元年4月1日 ■従業員数 30名 ■資本金 2500万円 ■売上高 (平成18年9月)6億5千万円 ■事業内容 ①包装分別機 Bun-Bun ポリ袋洗浄機 Bun-Senの開発・設計・製造・販売 ②CNCシートメタル(精密機械板金)に依る、電子機機器部品及び工作機械カバーの設計・製造・販売 |
「ゴミをお金にかえよう」ーーこれが(株)カネミヤのメッセージだ。
同社は、農業用廃ビニールやコンビニ食品など汚濁廃プラスチックを分別・洗浄する機械を製造、販売している会社である。国内に三つの営業所を構えるほか、1年前には台湾に営業所を出すなど海外展開にも意欲的だ。
2006年10月19日、「環業見本市」(会場:ポートメッセなごや)に出展中の同社を訪ね、代表取締役社長の間瀬隆夫さんから話を聞いた。
―――事業を始めるきっかけは?
以前は板金加工メーカーでサラリーマンをしていたが、営業の仕事をしながら、自分で事業を起こしてみたいと言う気持ちが強まっていった。東京への転勤を命じられたのをきっかけに脱サラし、会社を起こした。
当初は、半導体産業の好況もあって順調に成長をしていたが、90年代後半に半導体不況に煽られ、売上が90%も落ちるという危機に直面した。そのときに新規ビジネスとして、環境、バイオ、ナノの分野が候補に挙がった。
結局、自社の既存技術を生かせること、「自社ブランド」にこだわりたいという思いから、環境ビジネスに会社の未来を託そうと決断した。
―――事業のテーマは?
「ゴミをお金にかえよう」が私たちのテーマ。日本でリサイクル事業が定着しないのは利益が出ないからだ。利益が出るようになればリサイクル事業は盛んになる。リサイクル事業が盛んになれば、日本のリサイクル文化は進化する。
捨てた方が儲かるような社会では駄目だ。リサイクルすれば儲かるような社会を創りたい。私は「儲かるリサイクル事業」のモデルをつくる。
―――主力製品は?
一つが「BUN-BUN」。これは、食品工場から出る弁当やビニール包装されたパンなどを、中身の食品と外側のプラスチックを分別する機械。
もう一つは、分別だけでなく洗浄も行う機械「「BUN-SEN」。従来は、分別・洗浄しようとすると、1時間あたり何トンもの水を必要とした。そのため、コストが非常に高くなってしまい、ほとんどの企業は、産業廃棄物処理業者にお金を払ってゴミとして引き取ってもらっていた。結果として、それらのゴミは焼却もしくは埋め立て処分されていた。
こういうなか、我が社は一時間当たり20リットルの水量で分別洗浄を可能にする機械「BUN-SEN」を世の中で最初に開発した。
たとえば、学校給食で出る牛乳パック。以前は、企業が1キロ当たり約40円(地域により価格差あり)を産廃業者に支払って焼却をしていたが、この機械を導入することによって洗浄された廃プラが1キロ当たり5円から10円で再生業者に売れるようになった。当社の機械を導入することで、ゴミが資源(原料)に変わったことになる。
――――この機械の納入先は?
食品工場や産廃業者が主な納入先。ある食品工場の例を挙げよう。
従来、この会社は廃棄物処理に2000万円のコストをかけていた。食品とプラスチックがゴミとして扱われていたためだ。ところが、我が社の機械を導入することにより、プラスチックは、ゴミではなく資源として再利用できるようになった。さらに、廃棄物処理のコストが下がった。トータルとしてコストを1000万円に抑えることが出来た。2000万円-1000万円で1000万円のコスト削減が出来たことになる。
もちろん、我が社の機械を購入していただくのにコストが必要だ。でも、1年あれば償却できる。2年目からは1000万円のコストが削減され、1000万円の利益が出ることになる。
―――事業で苦労した点は?
洗浄後のプラスチックの引き取りルートを確立することだ。従来、洗浄済みプラスチックの引き取り手がないことから機械の販売が伸び悩んでいた。そこで、(有)秋葉樹脂さんと協力し、廃プラ・廃ビニールを高品位ペレットとして再生加工する技術を開発した。
分別・洗浄して終わりではない。出てきたプラスチックが販売ルートに乗る必要がある。そのためには、再生加工技術を高めていく必要がある。
―――再生ペレットは海外へも輸出されるのか?
もちろん、再生資源を海外に輸出するというルートも考えられる。しかし、再生資源は国内で循環されていくシステムを作っていくべきだと思う。そういう考え方から、再生資源は、国内文具メーカーに販売してリサイクル商品としてポールペン等にし社会に還元しています。
―――台湾に営業所を作ったのは?
一昔前までは台湾はリサイクル事業が遅れた地域であったが、政府を挙げてゴミへの規制を行ったため、現在ではアジアでもっとも廃棄物規制の進んだ地域となっている。例えば台湾では家庭ごみでも、回収業者に直接手渡し、中身を確認してもらわなければ回収してもらうことが出来ない。
企業に対する規制も厳しい。しかし、その厳しさをかいくぐる様に、日本と同様に不法投棄などの問題も起きている。「儲かるリサイクル事業」の仕組みが十分にできていないからだろう。我が社が確立しようとしている「儲かるリサイクル事業」を台湾にも広げ、台湾の環境問題にも貢献していきたい。
―――現在取り組んでいる技術的課題は?
力を入れているのは機械の無人化という課題。現在の機械では、どうしても人の手が必要だ。機械だけで出きる仕事は機械だけにやらせる事ができる無人化を目指しています。人材には,新しいものを生み出すような創造的な仕事をしてほしい。
―――今後の目標は?
現在、「BUN-BUN」と「BUN-SEN」の納入実績は100台に過ぎない。これを2年間で500台まで持っていきたい。500台ということは、一つの県につき約10台ということだ。これが当面の目標である。
―――学生に一言
ビジネスも、人生も、一番大切なのは「人と人との縁」。脱サラしたばかりの私に、「お前を信用する。お前ならきっと出来る!」と大金を融資してくれたのも、縁ある人だったからだ。人生で出会った人との縁を大切にして下さい。
浅井友英君(名城大学経営学部4年)
企業探検隊の当日、私はインタビュー係をやらせて頂きました。なかなか思い通りにいかず苦労しました。取材相手のリズムを尊重しながらインタビューする事がこれほど難しい事だとは知りませんでした。取材シートのポイントをしっかりと押さえながら、臨機応変に面白い話題を引き出していく。このバランスが難しいと思います。しかし、この取材で、ゴミの発生メカニズムやゴミの分別規制などの環境ビジネスについて学べたのは大きな収穫でした。
今泉 潤君(慶應義塾大学法学部4年)
環境見本市は本当に貴重な経験となりました。というより純粋に楽しかったです。自分の知らない分野なので感心させられることばかりでした。
間瀬社長と話をして、他社と積極的に業務提携をして新しい技術を開発しようという姿勢、日本だけでなく海外の動きにも目を向ける広い視点に感銘を受けました。「環境」と「経営」の2つには、一見関連性がないように思えるが、これからの時代は経営に「環境」という概念を取り入れなければならない事態をリアルに感じました。
石橋 悠(岐阜大学地域科学部2年)
間瀬社長の印象は、「精力的」と一言に尽きます。サラリーマン時代に培った気持ちを持ち続け、前へと進もうとする心意気がインタビューを通してとても伝わってきました。現在日本産業において環境は重要な地位を占めているのに、循環のためのシステムが整っていない――そこにビジネスチャンスを見出し、「儲けるシステム」によってリサイクルを国内に定着させるという発想に驚きを感じました。非常に大変だと思うのですが、間瀬社長の熱い心意気があれば大丈夫だと思いました。ぜひ頑張って欲しい、と応援したい気持ちにさせる社長さんでした。


